血圧と漢方薬


以前腎虚と歯の関係を話しました 
歯ぐきの病気やむし歯には東洋医学で考える腎の機能低下を補えば 進行を遅らせることが出来ますよ 
それには八味地黄丸が適当ですと説明したところ Aさんは八味地黄丸を飲み始めました

そのAさんから相談を受けました

血圧が少し高いのだけれど八味地黄丸を飲んで大丈夫ですかと疑問に思われているようです
Aさんいわく>血圧がやはり高く、154/102でした。帰宅してすぐ測ったら、137/95でした。朝5時には131/95でしたと

Aさんは拡張期(下の血圧)が高いようです 拡張期の血圧が高いのは血管の弾性が無くなってきているからです 
水道のホースが古くなると 硬くなることをイメージしていただけるとわかり易いです 

血圧


上の表から見ると
Aさんは収縮期血圧は正常高値血圧で、拡張期血圧は軽症高血圧です 154は病院で計ったため
交感神経が緊張して数値が上がったのでしょうか 三者の平均値は140.7です
軽症高血圧ならば血圧以外の危険因子はどうでしょうか 喫煙、肥満は無いようですから
心電図に問題なければ低リスクだと考えていいのでしょう  
よって治療するべき点は軽症高血圧である拡張期の血圧を下げることだと思われます

まずは 血圧と降圧剤について現代医学のとらえかたを学習します

血圧上昇の因子は3つ有ります 
@腎臓の機能低下によるもの
A自律神経のアンバランスにより交感神経優位に傾いた結果 
 安保先生はストレス説でこれを説明
B血管の柔軟性が低下したことによるもの
 
その他に原因不明のものもあります

現在使われている薬剤はいずれも対処療法として使われていると言えます

降圧剤の作用と分類

以下の7種類の降圧剤があります。
1.利尿剤
2.β遮断薬
3.α遮断薬
4.αβ遮断薬
5.カルシウム拮抗薬
6.アンギオテンシン阻害薬
7.アンギオテンシンU拮抗薬  
( http://www.ne.jp/asahi/takeuchi-vet/bamboo/page021.html より)

1.利尿剤
Guytonによれば 短期的な血圧調整は血管運動中枢によって行われるが 
長期的な調節は腎臓の排泄調整によって行われるという 
たとえば 血圧上昇のときは 血管系の圧受容器からの反射による 腎血管拡張とADH分泌抑制により 
水および電解質の排泄が増加する(圧利尿) 
また血圧低下のときはレニン・アンギオテンシン・アルドステロン系により水および電解質の排泄が減少する 
したがって利尿は長期的な高血圧対策としてとくに有効である
 (生理学教科書 真島英信 文光堂)
* ADH:抗利尿ホルモン
コメント;高血圧の治療として利尿剤という選択肢があるけれど使う頻度は少ないなぜだろう
答え ;副作用 低カリウム血症 高尿酸血症のコントロールが難しい

2.β遮断薬
3.α遮断薬
4.αβ遮断薬
これらはいずれも交感神経の緊張を和らげる薬です
コメント;交感神経が緊張すると毛細血管が収縮します 怒ったとき顔面蒼白になり
     血圧が上昇するというのは、交感神経の興奮に由来するからです

5.カルシウム拮抗薬
カルシウム拮抗剤は血管平滑筋の電位依存性カルシウムチャンネルでのカルシウムイオンの細胞流入を抑制し、
細胞内遊離カルシウムイオン濃度を低下させることにより血管を拡張させ、降圧作用を発揮します。 
元来、冠動脈拡張剤として開発されたものであり。後に降圧作用が注目され現在では、最も普及している
降圧剤となっています。

一般的にカルシウム拮抗薬は強力な血管拡張薬であり、特に第1世代のものが著しいが、副作用として
頭痛、頭重、顔面紅潮、熱感、頻脈、動悸(ヘルベッサーでは徐脈、下腿浮腫などがあります。

また特殊な副作用として歯肉肥厚がみられることもあります。しかし一般的にこれらの副作用は軽微で、
代謝への悪影響が無く、冠血流量増加、脳血流、腎血流も維持ないし増加が期待できるため高齢者でも
好んで使用されています。

血圧降下剤の第一選択剤としてカルシウム拮抗剤が挙げられます

商品名であげると以下のものが代表的です
	アムロジン・ノルバスク(一般名ベシル酸アムロジピン)
     CCB薬のなかで、日本でもっとも服用されている 
	ヘルベッサー 
	アダラート・L・CR (CCBの中で、最も降圧効果が高い) 
	ワソラン 
	カルブロック(第一三共) 
	アテレック 
	カルスロット 
	ランデル 
コメント;カルシュム拮抗薬は血管が収縮するのを妨げているのだ 
     単なるホースに血管はなっているのかじゃあどうすればいいのか 
答え;硬くなった血管を柔らかくすればいいのだ

6.アンギオテンシン阻害薬
7.アンギオテンシンU拮抗薬  
腎皮質はレニンという物質を内分泌する この物質はアンギオテンシンという血圧上昇物質の産生にあずかる 
腎臓への血流の阻害(腎動脈の硬化など)がおこると レニンの分泌が高まり 血圧が上昇する 
これが腎性高血圧である 
(人体解剖学 藤田恒太郎)
コメント;腎動脈の硬化を緩和することはできるのだろうか 
血圧が上昇するのは動脈硬化が原因なのではないのかなー

コメント;
以下カルシウム拮抗剤の説明のための予備知識として
筋肉(平滑筋も含めて)収縮や弛緩のメカニズム
@	大脳から、小脳を経た情報が、遠心性の運動神経より、筋繊維を取り巻く筋小胞体へ、
    アセチルコリンを介して伝達される。 
A	刺激を受けた筋小胞体は、カルシウムイオンを放出する。放出されたカルシウムイオンは、
    トロポミオシン、トロポニン、アクチンに、連鎖的に作用し、結果的に、アクチンが、
    ミオシンのATP分解能を活性化させるのを補助する。 
B	活性化された、ミオシンが、「首振り運動」によって、アクチンフィラメントを手繰り寄せ、
    アクチンフィラメントが、ミオシンフィラメントの間に、滑り込み、筋肉が収縮する。 
C	放出されたカルシウムイオンが回収され、各フィラメントが、元の位置に戻り、筋肉が弛緩する。
 
カルシウムが放出されると血管の中の筋肉が収縮します 血管が収縮すると血圧が上がり
弛緩(収縮しない)すると血圧は下がります 

筋肉の収縮について 「筋肉のなぞ」丸山工作著 岩波新書 に詳しく載ってます


もう一度降圧剤について
1.利尿剤
2.β遮断薬
3.α遮断薬
4.αβ遮断薬
5.カルシウム拮抗薬
6.アンギオテンシン阻害薬
7.アンギオテンシンU拮抗薬
 
1は腎の機能低下により排泄されにくくなったものを出す
2.3.4は交感神経をブロックすることで血圧を下げる(交感神経が興奮すると血圧が上がります)
 安保先生の理論 自律神経免疫治療に近いというか対極にあるもの
5は血管の平滑筋の収縮を抑えるように働く しかし血管が固くなったのは無視して 
  血管の本来持っている『収縮、弛緩の機能』これこそ血管の柔軟性とちがうのでしょうか
  それさえおさえて単なるホースにしてしまった
6,7は腎の機能低下により血圧を上げるホルモンがでるのでそれに拮抗するものです





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