血圧と漢方薬


医学的に腎臓を考えて漢方的な考察を加えてみます
生理学の教科書によれば
腎臓は最も重要な排泄器であり 尿の排泄によって
@	血中の不要産物 有害物除去
A	血液の浸透圧調節
B	細胞外液量調節
C	血液のpH調節
D	血漿組成の調整
などが行われる 結局血液の性状を恒常に保ち ひいては身体内部環境としての
体液の恒常性を維持している
以上が教科書の記述です 

東洋医学的な考察はもっと違うものです
腎の働きは
@	腎は精を貯蔵する
腎は「作強の官」と呼ばれ、人体の生命活動を維持する基本的な栄養物質である精を貯蔵し、
五臓六腑の要求に応じて随時供給して、それらの健全な働きを維持している。
そして、全身に精力を賦与し、粘り強さや根気を生み出す。また、腎は生殖用の精も貯蔵している。
生殖用の精は、先天的な腎気が後天的な五臓の精気と結合して生成されたもので、その生成貯蔵、
輸送はすべて腎が管理している。したがって、もし腎に病変が生ずると、遺精、早漏、精液不足、
性欲減退などの症状となって現れる。

A	腎気と成長発育の関係
B	腎は「命門の火」の管理者
腎は左右に二個あり、右腎を命門という。命門は元気の根元であり、また父母から
与えられた「先天の気」を貯蔵する。そして「命門の火」は、五臓六腑の機能活動と
成長発育、および生殖のためのエネルギーとなる。
先天の気:両親からもらう生まれながらに持つ気
後天の気:食べ物から得る
天の気 :呼吸によって得る
後天の気と天の気が合わさって元気、真気とよばれるものになる
C	腎と骨髄、脳の関係
腎は骨と髄の成長発育と密接に関係している。この関係を素問:陰陽応象大論篇では、「腎は骨髄を生ず」
と説明している。つまり腎は精を蔵し、精は髄を生じ、髄が骨を養っているのである。また骨の一種とも考えられる歯、
歯髄、ひいては歯齦とも密接な関係がある。
さらに、霊枢の海論篇では、「脳は髄の海(集まる所)」といい、素問の五臓生成篇には、「諸髄は、皆脳に属す」
とあるように腎は脳(髄)とも深い関係にある。腎気が不足すると、骨、髄に関しては、腰がだるくなり、骨の痛みも
生じ、四肢に力がなくなる。また、脳に関連しては思考力が鈍り、健忘や眩暈を訴え、耳鳴り、視力低下が現れる。
D	腎と耳の関係
腎は耳に開孔している。霊枢の脈度篇は、「腎気は耳に通じ、腎和すればよく五音を聞く」と述べ、腎と耳が密接に
連結にしていることを説明している。このため、腎に異常が起こるとしばしば耳鳴りが生じ、ひどいときには耳が
きこえなくなることがある。老人性の難聴は、腎の精気の衰えのあらわれと考えられている。
E	腎と二陰(外生殖器と肛門)と水分代謝の関係
腎はまた二陰(前陰=生殖器 後陰=肛門)に開孔して、生殖や便・尿の排泄に関係する
腎は水を蔵して全身の水液代謝を管理し、命門の火はこの働きを助けて、全身に水液を分布させたり、排泄させたり
している。もし、腎に異常が生じると、「腎水」と「命門の火」が不足し、便秘や尿量の減少が生じて浮腫が起こったり、
反対に水様性の下痢や尿失禁、早漏、遺精など生殖器の病変などが起こる。
(素問:陰陽応象大論篇、霊枢:脈度篇)

これらが 東洋医学の考えるところの腎です
腎虚とは腎に本来有るべき正気がなくなることです すなわち老化です 
髪が抜ける 白くなる 目が見えにくくなる 耳が遠くなる 精力減退、耳鳴り、めまい、難聴、歯のぐらつき、
足腰衰弱、頻尿、不眠、不安感、無気力、
このような症状が出ます

年をとると腎臓の機能は低下します
血圧の上昇を腎機能の低下ととらえるとどうでしょうか
レニンアンギオテンシンの上昇は腎臓への血流の阻害(腎動脈の硬化など)によるもの
利尿作用 上記@の低下が「利尿は長期的な高血圧対策としてとくに有効である」
と合致すれば東洋医学的な腎虚の概念を血圧の治療薬に入れてもよいのではないでしょうか

長期的に八味地黄丸を飲めば血圧の治療ができるということにつながります
さらに四物湯を煎じて飲めば血圧は下がります

釣藤鈎




さて、収縮期の血圧を下げることについては 
簡単です釣藤鈎(ちょうとうこう)を煎じて
お茶がわりに飲めば下がります



 
釣藤鈎;平肝熄風薬。甘、微寒。帰肝・心包経。@熄風止痙・清熱平肝(肝心包・甘微寒)。
薬理:熄風止痙(内風による痙攣を止める作用)、清熱平肝(熱邪を除いて上亢した肝の陽気を下げる作用)。
本草薬理:甘は能く補い能く緩める。辛・甘は発散し陽と為す。
苦は能く瀉し能く燥し能く堅くする。寒は心熱を除く、肝風を平める。
適応:肝風内動(肝陰虚により風(内風)が生じた病態)による驚癇(癲癇のこと)・抽凵iひきつける症状)
に用いる。頭痛・眩暈(目がカスミ頭や目がまわる症状)に用いる。
症状:大人の頭旋・目眩、小児の驚啼・AB、客忤・胎風を治す。斑疹を発し、肝風・相火の病を主る。
風が静かならば火は息る、則ち諸証は自ずと除く。

以上の様に血圧を下げるという言葉は見あたりません
漢方では風(ふう)という概念があります この風をおさえると結果的に血圧がさがるのです 

Aさんの場合は収縮期の血圧は正常高値血圧ですから 血管の弾性が回復され柔らかくなったら 
自然と収縮期の血圧も低下します 下が下がれば上も下がります 
漢方には本治と標治という言葉があります 
本治はその病態の原因を治療すること 標治とは困っている症状を治療することで 対処療法です 
血圧において本治は血管の弾性回復で 標治は下げることです 本標同治というのがあります 本治と標治を
同時に行ったほうが成績が良いということです その点からは釣藤鈎も使ってもいいかもしれません

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